NISAについて調べている時に「新NISAはオルカンがおすすめ」「S&P500が最強」といった意見を見かけた方も多いのではないでしょうか。
確かに「オルカン」「S&P500」はどちらも人気の銘柄で、投資初心者やNISAをこれから始める方は、どちらに投資するべきか、半々に分けて投資するのが効果的なのかなど、迷うこともあるでしょう。
そこでこの記事では、「オルカン」「S&P500」の特徴について解説したうえで、NISA向きな銘柄・選ぶ際のポイントを紹介していきます。
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簡単な9つの質問に答えるだけで、自分に合ったポートフォリオを提案してくれるので、「オルカン」「S&P500」のどちらに投資するか決めている方にもぴったりです。
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オルカンとS&P500どっち?新NISAにおける特徴
まず最初に、「オルカン」「S&P500」の基本的な情報について分かりやすく説明します。
オルカン=eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
「オルカン」は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託の略称です。
投資信託の中でも、指数と連動した値動きを目指すインデックスファンドに分類されます。
投資対象地域 | 全世界 |
---|---|
投資対象資産 | 株式 |
運用手法 | インデックス |
ベンチマーク | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス |
委託会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
- 投資信託
- 投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、プロが投資・運用し、その成果を分配する商品
- ベンチマーク
- 連動を目指す指数
- 委託会社
- 投資信託を運用する会社
オルカンは名前の通り、「全世界」の企業が発行する「株式」に投資できます。
全世界に投資できる銘柄はオルカン以外にもありますが、オルカンは圧倒的に人気で、「純資産総額」も39,198.25億円(2024年8月現在)とトップクラスです。
S&P500=アメリカ経済のほとんどをカバーする株式指数
一方、「S&P500」とはアメリカの株式指数の一つで、特定の投資信託を指すものではありません。
- 株式指数
- 取引所全体や特定の銘柄群の株価の動きを表すもの
- 「日経平均」「TOPIX」などもこれに含まれる
S&P500はアメリカの代表的な企業500社から構成されていて、米国株式市場全体に対し約80%の時価総額比率を占めています。
数ある株式指数の中でも右肩上がりに長期成長していること、世界経済に影響を与えやすいアメリカ経済の動向を表していることから、世界中の投資家から注目を集めている指数でもあります。
オルカンでも6割以上が米国株式
オルカンは47の国・地域に投資していますが、その構成割合は均等ではありません。
国ごとに時価総額(企業の大きさ)が上位85%の企業のみを含んでいて、時価総額の大きさに応じて国別の構成比率を決めています。
また、投資地域の配分(国の比率)の章で詳しく説明していますが、日本は約5.5%、日本を除く先進国22カ国が約76.4%、新興国24カ国が約3.3%を占めていて、一番割合が高いのはアメリカの約61.7%です。
例えば、オルカン・S&P500を100万円分購入した場合、米国株が占める割合はそれぞれ約61万7000円、100万円です。
ただし、S&P500は上位80%の企業が対象なので、より大きな企業へ多くの金額を投資することになります。
S&P500は米国内で時価総額が上位80%の企業を対象としているため、オルカンよりも投資対象となる米国企業は多少絞られます。
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オルカンとS&P500どっちも新NISAで選ばれている?
「オルカン」「S&P500」の基本情報について理解したところで、新NISAでも人気な投資信託なのかを検証していきます。
人気証券会社の新NISA銘柄ランキング最新版
2024年8月現在、楽天証券・マネックス証券・SBI証券の銘柄ランキング(月間の積立設定金額)は次のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | |
---|---|---|---|
楽天証券 | eMAXIS Slim全世界株式 (オール・カントリー) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 楽天・S&P500 インデックス・ファンド |
マネックス証券 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | eMAXIS Slim全世界株式 (オール・カントリー) | iFreeNEXT FANG+ インデックス |
SBI証券 | 三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式 (オール・カントリー) | 三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 野村-野村世界業種別 投資シリーズ (世界半導体株投資) |
このように、人気ネット証券会社においても、「オルカン」「S&P500」は多くの人が積み立てていることが分かります。
オルカンとS&P500どっちNISA向き?
新NISAで投資する銘柄として「オルカン」「S&P500」の2つを候補に入れている方もいるでしょう。
残念ながら、市場は常に変動しているので「100%こっちがいい」というものはありませんが、それぞれのメリット・デメリットから、自分に合った方を選ぶことは可能です。
ここでは、「オルカン」「S&P500」を比較していきます。
投資地域の配分(国の比率)
まず最初に、どのような国・地域に投資しているかを見ていきましょう。
国・地域 | オルカン | S&P500 |
---|---|---|
アメリカ | 61.7% | 100% |
その他の国・地域 | 14.7% | – |
日本 | 5.5% | – |
イギリス | 3.5% | – |
カナダ | 2.7% | – |
フランス | 2.7% | – |
スイス | 2.1% | – |
ドイツ | 2.0% | – |
インド | 1.8% | – |
その他 | 3.3% | – |
「S&P500」はアメリカの株式指数なので、100%アメリカの企業に投資することになります。
一方、「オルカン」は世界中の47カ国に投資していて、約6割がアメリカ、約3割がアメリカ以外の先進国、約1割が新興国の企業と、その比率は国・地域によって違います。
組入銘柄(どの企業に投資しているか)
続いて、どの企業の比率が高いかを見ていきましょう。
「S&P500」は、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を例に見ていきます。
オルカン | S&P500 | ||
---|---|---|---|
eMAXIS Slim全世界株式 (オール・カントリー) | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | ||
企業名 | 比率 | 企業名 | 比率 |
MICROSOFT CORP (アメリカ) | 3.9% | MICROSOFT CORP (アメリカ) | 6.9% |
APPLE INC (アメリカ) | 3.5% | APPLE INC (アメリカ) | 5.8% |
NVIDIA CORP (アメリカ) | 3.0% | NVIDIA CORP (アメリカ) | 5.0% |
AMAZON.COM INC (アメリカ) | 2.3% | AMAZON.COM INC (アメリカ) | 3.8% |
ALPHABET INC-CL A (アメリカ) | 1.3% | ALPHABET INC-CL A (アメリカ) | 2.2% |
META PLATFORMS INC-CLASS A (アメリカ) | 1.3% | META PLATFORMS INC-CLASS A (アメリカ) | 2.2% |
ALPHABET INC-CL C (アメリカ) | 1.2% | ALPHABET INC-CL C (アメリカ) | 1.9% |
TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC (台湾) | 0.8% | BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B (アメリカ) | 1.7% |
BROADCOM INC (アメリカ) | 0.8% | BROADCOM INC (アメリカ) | 1.4% |
ELI LILLY & CO (アメリカ) | 0.8% | ELI LILLY & CO (アメリカ) | 1.3% |
このように、オルカンでも上位10社中9社はアメリカの企業で、いずれもS&P500と重複していることが分かります。
ちなみに、上位に組み込まれている企業は、マイクロソフト・アップル・アマゾンなど、日本でも有名な大企業です。
オルカンとS&P500のチャート比較
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」のチャートを比較したものがこちらです。
分配金込・再投資後の基準価額の変化率を見ると、両方とも短期的には上下に変動しているものの、長期的には右肩上がりのトレンドを形成していることが分かります。
2024年時点ではeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の成績の方が優秀ですが、長期投資で安定したリターンを期待できる点で、どちらもNISA運用におすすめです。
パフォーマンス
「オルカン」「S&P500」の運用実績を比較したものがこちらです。
オルカン | S&P500 | ||
---|---|---|---|
eMAXIS Slim全世界株式 (オール・カントリー) | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | ||
基準価格 | 基準価格 | 24,841円 | 32,000円 |
純資産 | 純資産 | 39,198.25億円 | 52780.40億円 |
リターン | 1年 | 34.39% | 40.26% |
3年 | 19.60% | 24.57% | |
5年 | 20.24% | 24.52% | |
リスク | 1年 | 12.09% | 13.62% |
3年 | 13.95% | 16.06% | |
5年 | 16.00% | 16.90% | |
シャープレシオ | 1年 | 3.10 | 2.56 |
3年 | 1.40 | 1.46 | |
5年 | 1.27 | 1.39 |
- リターン
- 期間中に投資信託を保有して得られた収益
- リスク
- 基準価格のブレ幅の大きさ
- 値が大きいほど、大きく値上がり・値下がりする可能性がある
- シャープレシオ
- 運用で取ったリスクに対してどれだけリターンを上げたかを示す指標
- リスク1単位あたりのリターン
- 値が大きいほど、比較的ローリスクでハイリターンを得たと言える
このように、運用利回りを示すリターンはどちらも非常に好成績ですが、過去5年間を見るとS&P500の方が高い利回りを実現しているようです。また、リスクに関しては、オルカンよりもS&P500の方が高くなっています。
シャープレシオはS&P500の方が高いため、この5年間を見ると「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を選んだ方が良い」と結論付けられます。
もちろん、オルカンも同じくらい良い結果ですし、今後の相場状況によってはオルカンの成績が上回る可能性もあるので、どちらもおすすめの投資信託と言えるでしょう。
信託報酬
オルカン | S&P500 | |
---|---|---|
eMAXIS Slim全世界株式 (オール・カントリー) | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | |
信託報酬 | 0.05775% | 0.09372% |
どちらの信託報酬も0.05775%、0.09372%と、超低コストな投資信託だと言えます。
コストは最終的な運用益に大きく影響しますが、どちらに投資しても運用益のほとんどを入手できるでしょう。
平均利回り
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は2018年10月に基準価格10,000円でスタートし、2024年8月現在の基準価格は24,841円まで高騰しています。つまり、148.41%上昇しているということです。
ただし、基準価格が変動する要因としては、株価の上昇・下降だけでなく、円安・円高による為替変動も挙げられます。
2024年7月の月次レポートでは、基準価格の変動要因(概算)を以下のように公開しています。
2024年7月 | 設定来 | |
---|---|---|
国内株式 | -15 | 706 |
先進国株式(除く日本) | -65 | 8,845 |
新興国株式 | -2 | 568 |
為替要因 | -1,332 | 4,991 |
その他(信託報酬等) | -1 | -83 |
分配金 | – | 0 |
基準価格 | -1,415 | 16,442 |
このように、設定から1万円以上上昇した理由の第1位は「先進国株式(除く日本)」で53.7%、続く第2位が「為替要因」で30.3%となっています。
つまり、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の変動は、日本を除く先進国の株価が上昇しているのに加え、為替が円安になったのも影響しているということです。
一方、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は2018年7月に基準価格10,000円でスタートし、2024年8月現在の基準価格は29,798円まで高騰しています。つまり、197%上昇しているということです。
また、「パフォーマンス」でも紹介したように、利回りは過去5年間で24.52%となっています。これはオルカンよりも約5%高く、数ある投資信託の中でも好成績です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)に関しては「基準価格の変動要因」が記載されていないため、同時期の為替を振り返ってみます。
1ドル | |
---|---|
2018年7月3日(設定日) | 110.58円 |
2024年7月3日 | 164.41円 |
このように、わずか6年間で約48%も円の価値が減少しており、歴史的な円安が進んでいることが分かります。
平均利回りに注目する際は、為替変動の影響がどれほど大きいかも確認すると良いでしょう。
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メリット
どちらにも共通するメリットとしては「値動きが分かりやすい」「アクティブファンドよりも信託報酬などのコストが低い」という点が挙げられます。
ここでは、さまざまな項目を比較した結果判明したメリットについて、それぞれ見ていきましょう。
オルカン
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の最大の特徴は「全世界の株式の約85%をカバーしている」という点です。
先進国と新興国の47カ国、約2,800銘柄が含まれているので、国・地域・銘柄すべてにおいて分散投資が叶うだけでなく、世界経済の成長の恩恵を受けられます。
また、銘柄数が多い分、特定銘柄が大暴落しても、大きな損失を抱える可能性は極めて低いというメリットもあります。
S&P500
一方、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしている投資信託です。
現在、米国の経済規模は世界1位で、先進国では珍しく人口が増加し続けています。
そんな米国の経済は今後も成長していくと考えられます。このように、S&P500は長期投資した時のリターンを期待できる商品の一つです。
デメリット
どちらにも共通するデメリットとしては「投資対象が株式のみで、投資リスクが比較的高い」という点が挙げられます。
ここでは、さまざまな項目を比較した結果判明したデメリットについて、それぞれ見ていきましょう。
オルカン
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は全世界に投資できますが、組入上位10銘柄のうち、9銘柄は米国株です。そのため、どうしても米国株に影響されてしまいます。
また、新興国は市場規模が小さく、政治も不安定になりやすいという特徴を持ちます。新興国が投資対象に含まれるので、このようなリスクを抱えるという点も覚えておきましょう。
S&P500
S&P500は米国株のみの投資になるので、国・地域の分散投資を行えません。そのため、米国の景気後退期は大きな含み損を抱えることが予想されます。
しかし、1989年から現在までのS&P500指数の推移を見ると、ITバブル崩壊・リーマンショック・チャイナショックといった経済危機後も力強い成長を続けていることが分かります。
NISAのように長期投資を前提とする運用方法と相性が良いので、米国経済に影響されやすいデメリットはそれほど気にしなくても良いでしょう。
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オルカンとS&P500どっち選ぶか決める際のポイント
これまで見てきたように、「オルカン」はアメリカ企業を中心に他の国・地域の企業へも投資、「S&P500」は100%アメリカ企業だけに投資する商品です。
そのため、アメリカ経済の成長にどの程度期待するかによって、どちらに投資するか決めると良いでしょう。
- 米国経済は今後さらに発展するだろう
→ S&P500 - 米国経済の成長だけに投資するのは不安
→ オルカン
投資は「卵を一つのカゴに盛るな」と言われるように、複数の商品に対して分散し、リスクを下げることがおすすめされています。
なぜなら、投資先を1つの国・資産に偏らせると、その銘柄が大きく下落した時に大ダメージを受けてしまうからです。
S&P500はアメリカ企業500社に分散投資しているといっても、アメリカ経済そのものが失速した場合、大きな損失を抱えます。一方、オルカンなら多くの国に分散投資できるので、そういった事態が起きてもダメージは比較的小さいでしょう。
もちろん、「全世界株式銘柄」はオルカンの他にもあります。投資する国の比率によってオルカン以外のものを選んだり、債券やバランス型ファンドを購入したりと、選択肢は無限大です。
「オルカン」「S&P500」以外の銘柄も見て、柔軟な資産形成をしたい方は楽天証券のように取り扱い銘柄の豊富な会社でNISA口座を開設することをおすすめします。
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オルカンとS&P500どっちも・半々がベストとは限らない
オルカンもS&P500も現在成長している米国株を中心に投資できるので、数ある投資信託の中でも多くの投資家に選ばれています。
しかし、このいずれかに投資すれば100%良いとは限りません。実際に購入する前に、以下の注意点を押さえておきましょう。
米国株の影響を受けやすい
本記事でも紹介してきたように、米国株の投資比率はオルカンで約60%、S&P500で100%です。
また、組入上位10社を見ると、マイクロソフトやアップル、アマゾンなど、9銘柄の米国株がどちらにもランクインしています。
このように、どちらを選んだとしても米国の大企業に影響されやすくなります。分散投資効果を重視したい方にとって、一部の米国大型株にかたよっているのはデメリットとなるでしょう。
市場のトレンドは常に変化する
NISAは長期投資を前提としていますが、経済成長が期待できる国・企業は時代とともに変わります。
世界GDP上位10カ国の推移と、2040年の予測をまとめたものがこちらです。
1990年 | 2019年 | 2040年 | |
---|---|---|---|
1 | 米国 | 米国 | 中国 |
2 | 日本 | 中国 | インド |
3 | ドイツ | 日本 | 米国 |
4 | フランス | ドイツ | インドネシア |
5 | 英国 | インド | 日本 |
6 | イタリア | 英国 | ブラジル |
7 | カナダ | フランス | ロシア |
8 | イラン | イタリア | ドイツ |
9 | スペイン | ブラジル | メキシコ |
10 | ブラジル | カナダ | イギリス |
このように、1990年~2019年の間に日本のGDPランキングは3位に転落し、2位になった中国が2040年には米国を抜くと考えられています。これまで世界経済トップを走り続けていた米国も、2040年にはインドに次ぐ3位となるかもしれません。
また、時価総額ランキングも以下のように推移しています。
1989年 | 2005年 | 2015年 | |
---|---|---|---|
1 | エスコム | ゼネラル・エレクトリック | アップル |
2 | NTT | エクソンモービル | アルファベット |
3 | ゼネラル・エレクトリック | マイクロソフト | マイクロソフト |
4 | AT&T | シティグループ | バークシャー・ハサウェイ |
5 | エクソンモービル | BP | エクソンモービル |
6 | コカ・コーラ | ロイヤル・ダッチ・シェル | アマゾン・ドット・コム |
7 | メルク | プロクター・アンド・ギャンブル | フェイスブック |
8 | トヨタ自動車 | ウォルマート・ストアーズ | ゼネラル・エレクトリック |
9 | ロシュ・ホールディング | トヨタ自動車 | ジョンソン・エンド・ジョンソン |
10 | アルトリア・グループ | バンク・オブ・アメリカ | ウェルズ・ファーゴ |
1989年は上位10社中7社がNTTやトヨタ自動車などの日本企業だったのに対し、2015年には上位10社中8社がアップル・アルファベットなどの米国企業になっています。
リーマンショック以降は米国株が優勢になったものの、米国と米国以外の先進国の優位性は変動しています。現在、米国株は好調に見えるかもしれませんが、いつ状況が変わってもおかしくない点が常に意識しておきましょう。
これらを踏まえると、定期的に国・組み入れ銘柄の見直しをしている「オルカン」の方が市場トレンドに対応できると言えます。「S&P500」だけを保有するのは、国・地域の分散リスク対策を行えないため、注意が必要です。
リスクを抑えるための分散投資が必要
投資の対象は株式だけでなく、「債券」「金」などもあり、その年によってパフォーマンスの良い金融商品は異なります。
市場のトレンドは常に変化しているので、40代・50代など、運用期間の短い方が投資信託の「オルカン」「S&P500」のみに投資するのは正直リスクが高くつきます。
投資信託と債券のどちらにも投資するなど、相関性の低い資産を組み入れると、よりリスクを抑えたポートフォリオになりますよ。
分散投資するなら「オルカン」「S&P500」両方に投資すべき?
オルカンの投資先の約6割は米国株なので、「オルカン」「S&P500」の両方を購入すると、全体の約8割を米国株に投資することになります。
つまり、「オルカン」単体に投資するよりも、米国株へ集中し、リスクが高まってしまうということです。
このような理由から、「オルカン」「S&P500」の両方を購入するのはあまりおすすめできません。債券のような低リスク商品を組み合わせて、リスクを調整すると良いでしょう。
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オルカンとS&P500の割合に関係なく運用時に意識すべきコツ
NISAで「オルカン」「S&P500」を上手に運用するために、以下のコツを押さえましょう。
長期運用が前提
これまで世界・米国の株式市場はさまざまな危機に直面するたびに、大きな下落を繰り返してきました。
株式市場は日々変動しているので、どんなに期待値の高い分野でも、株価が綺麗な右肩上がりになることはありません。
ただし、その中には「オルカン」「S&P500」のように、長期的に右肩上がりのトレンドを形成しているものもあります。
短期的な値動きの上下にこだわることなく、ゆったりとした気持ちで長期運用していきましょう。長期運用するほど複利効果も大きくなり、最終的に高いリターンを期待できますよ。
適切な分散投資ができるポートフォリオを作成
ポートフォリオとは、資産の組み合わせのことです。
誰にとっても最適なポートフォリオは存在せず、年齢や投資可能期間・金額、リスク許容度に合わせたポートフォリオを作成する必要があります。
なお、安定したリターンを得たいのであれば「オルカン」「S&P500」のどちらか一方だけに投資するのはおすすめできません。
株式と債券など、特徴・値動きの異なるものを組み入れるようにしましょう。
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市場の変化やライフステージに合わせて運用を見直す
いつでも良いパフォーマンスを発揮するポートフォリオは存在しないので、市場や自分のライフステージが変化したタイミングで運用を見直すと良いでしょう。
例えば、「年末に資産状況を確認する」「ボーナス月に運用成績を確認する」など、定期的な点検タイミングを決めておくことが有効です。
市場は数年単位で変動すると言われており、それに合わせて成長資産・金利なども変わってきます。また、ライフステージによってリスク許容度は変わります。
「20代の頃はS&P500だけを買って攻めの投資をしていたが、30代になって家族もできたので、若干守りもいれたい」など、その時に合わせてポートフォリオの配分を調整してくださいね。
オルカンとS&P500どっち?知恵袋に寄せられた質問
オルカンとS&P500どっち?に関するよくある質問
オルカンとS&P500どっち?【まとめ】
「オルカン」「S&P500」の特徴を説明した上で、投資先の国・銘柄や信託報酬などを比較してきました。
オルカンは全世界の株式、S&P500は米国株式に投資できますが、アメリカ経済の成長にどの程度期待しているのかによって、どちらを選ぶべきかは異なります。また、同じような値動きをするため、両方保有してもリスク分散効果は低めです。
「今後もアメリカ経済は世界をけん引するだろう」と考える方はS&P500、米国株だけに投資するのが不安な方はオルカンなど、自分に合った方に投資しましょう。
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